人生を自由に自己決定できるのはシニアの特権
よく「ライスワーク(生きるために必要な仕事)」と「ライフワーク(人生をかけてやりたい仕事)」という言い方をしますが、これを二項対立として捉える必要はないと思います。
むしろ、両者の「積集合」といいますか、「ライスワーク」でもあり、「ライフワーク」でもあるような働き方が、60歳以降には可能になるように思います。
自分の人生を自由に自己決定できるのは、ある意味シニアゆえの特権かもしれません。
ただ、定年時にキャリアを急に決めるのは難しいので、55歳からの5年間で、じっくり計画するのがいいでしょう。
「レッドネック」を恥じる必要はない
また、シニアになると「オブリゲーション(義務)」を意識する人もいるでしょう。
私は現在、法人営業コンサルタントとビジネス書作家との二足のわらじ生活ですが、もともとの出自は材木屋の11代目です。
チェーンソーや草刈り機くらいは自由に使いこなせないと……という思いもあって、自ら汗をかくようにしています。
家業を継ぐ決断、継がない決断。実家の田畑山林の管理をどうするのか。
そういったことを考えながら、草刈り機で実家の周りの草を刈り、エンジン付きバリカンで庭木の剪定をしている時は、やりがいもあります。
ですが、これらの仕事は外注したほうがよほど経済的だと思うこともあります。
「レッドネック」とは、野外で働き首の後ろが日焼けしている人を侮蔑する言葉です。
私も草刈りによって首の後ろが日焼けしていますが、そんな自分を恥ずかしく思ったことは、一度もありません。
自らの意志でやっているからです。
60代でタクシードライバー、警備員、新聞配達、入力作業などに従事する人も、同じように考えているのではと推察しています。