お金持ちは、お金持ちになる前から読書している

本嫌いの人がこのデータを知ると、必ず言います。

「お金に余裕があるんだから、本をたくさん買えるのは当然だろう。本をたくさん読んだから収入が増える、という因果関係は説明されていない」

読書好きの会社の社長や、読書好きの高収入の会社員に会う機会があれば、「いつから読書していますか?」と聞いてみてください。「若い頃から」「学生の頃から」あるいは、「子供の頃から」と答えるはずです。つまり、今収入が高い人は、お金がない頃や、成功する前から読書を習慣にしているのです。

読書は「習慣」です。読書習慣のない人が、お金持ちになったから急に本を読み出すということは、まずあり得ない話です。

私の友人の経営コンサルタント、野田宜成さん。彼は今までに9000人以上の経営者と会い、500社以上の企業にコンサルタントとして携わってきたそうです。その野田さんに、「成功している経営者の共通点は何ですか?」と尋ねたところ、興味深い答えが返ってきました。

成功している経営者のほとんどが、「読書家」である、というのです。

「我流」が通じるほど世の中は甘くない

では、成功している経営者で、本を読まない人はいないのかというと、当然そういう人もいるそうです。しかし、本を読まない経営者で、10年、20年と継続的に結果を出す例は極めて稀なのだそうです。つまり、本を読まない経営者は、結果を出せたとしても「一発屋」で終わる可能性が高い。連戦連勝は難しいのだと。

繰り返しになりますが、1人の人間ができる経験、試行錯誤には限界があります。1人の人間が1年でできる試行錯誤の量は、限られているのです。しかし、本には、他人の失敗の経験や試行錯誤の跡が記されています。それを参考にするだけで、明らかに間違った道には進まないで済むのです。

樺沢紫苑『読書脳』(サンマーク出版)

他人の経験を活かすことで、時間の無駄を減らして、最短距離で成功への道を歩むことができるのです。

本を読まない人は「我流」です。その「我流」がたまたまうまくいくこともあるでしょうが、毎回、毎回「我流」が通じるほど、世の中は甘くありません。

私たちの「時間」には限りがあります。他人の「経験」が満載された「本」を上手に活用することで、「5年」「10年」という回り道をショートカットできるとしたら、1500円の本を100冊買ったとしても、安い買い物だと思います。

ビジネスで、そして社会的に成功したければ、そして高い収入を得たければ、「読書」するしかないと思います。

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