ペットボトルのふたが開けづらくなったら要注意
また、手指が痛いわけではないのに、ペットボトルのふたが開けづらくなった人も要注意です。握力は全身の筋肉の状態を反映しているといわれています。
ペットボトルのふたが開けられないなど握力が低下している人は、全身の筋肉も衰えている可能性があるのです。
僕自身も68歳のとき、片足での立ち上がりができないことに気づきました。
そこで毎日、スクワットなどの筋活を行うことにしました。それからは筋肉量が増え、片足での立ち上がりが楽々できるようになりました。歩くスピードも速くなり、趣味のスキーの腕前も一段上がったように思います。
筋活を始め、新しい生活習慣をスタートするには、これまでの行動を変える。つまり、行動変容をどう起こすかが大事なことです。
80歳になっても歩いて外出できる
「80GO(ハチマルゴー)運動」をご存じですか。「80歳になっても歩いて外出しよう」という意味で、日本医学会連合が2022年4月に出した「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」(以下、宣言)で提唱されている運動です。
僕は5年ほど前から「鎌田實のがんばらない健康長寿実践塾」(以下、鎌田塾)を主催し、約1000人の塾生たちと健康づくりに取り組んできました。
その重要な柱が、フレイル(虚弱)およびロコモ対策。
そこで塾生たちに、①鎌田式速遅歩き、②スクワットやかかと落としなどの自重筋トレ、③筋肉や骨など体をつくるための「たんぱく質いっぱいの生活」を提案してきました。
①は3分間の速歩きと、3分間のゆっくり歩きを繰り返すもの。②は自分の体を重りにして行う筋トレ。特別な道具を使わないので自宅で簡単に筋トレできます。③のたんぱく質については後述します。