眠れない悪循環を断ち切るには

これが1日や2日ならともかく、何日も続くのは良くありません。眠れないと体の疲れがとれませんし、免疫力も下がります。眠れない間は不安や恐怖と戦っているわけですから、それだけ交感神経が刺激される時間が長くなり、心臓や血管に負担がかかり動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。

また、睡眠不足だと昼間もイライラすることが増え、思考力や集中力が落ちて、仕事のパフォーマンスも下がってしまいます。それによって自分に自信が持てなくなり、ちょっとしたことで落ち込んだり、ストレスを感じやすくなったりしてまた眠れなくなる……という悪循環に陥ってしまいます。

布団に入って脳がデフォルト・モード・ネットワークの状態になったときの感情の振れ幅を抑えることができれば、こうした悪循環を断ち切ることができ、自然に入眠できるようになるはずです。

感情の「振れ幅」を抑えるマインドワンダリング対策

そのためにはどうしたらいいのでしょうか。方法は大きく3つあります。

考え方を再構築する

まずは、ものごとの捉え方、考え方を変えることです。ただ何も、すべてをポジティブに考えましょうということではありません。

「今抱えている仕事がうまく進められるだろうか」「明日の打ち合わせで失敗しないだろうか」など、未来について考えて不安になる場合は、「多少失敗しても、いくらでも挽回できる」「うまくいかなくても、逆に自分の得手不得手が見えてくるからプラスになることもありそうだ」「1回くらい失敗した方が、学びが得られていいんじゃないか」など、捉え方を再構築するようにします。

過去を振り返って失敗を気に病んでしまう場合も同様です。「以前、同じような失敗をほかの人もしていたけれど、周りはそんなに気にしていなかったな」「今回の失敗から学びがあったから、次はもっとこんな風にできそうだ」など、自分を客観的に見てみるようにします。

ジャーナリング

こうした、捉え方の再構築をするときにも役立つのが「ジャーナリング」です。

不安、悔しい、恥ずかしい、頭にくる、などのネガティブな気持ちも含めて、今の気持ちをひたすら書き出すものです。自分の失敗だけでなく、「あの上司ムカつく」「明日のプレゼンが不安」などのネガティブな気持ちも、すべて文字にして外に出してしまうのです。

書き出すためには、心の中のモヤモヤを言語化する必要があるので、自分の気持ちを整理することができます。そして、書き出してみると「私は今、こんなことを考えているのか」「こんな風に感じているんだな」ということをあらためて認識し、自分の状況や考えを客観的に見ることができます。「捉え方の再構築」をするのにも役立ちます。

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