夜、眠ろうと布団に入ってからも、今日の失敗を気に病んだり、明日のことが不安になったりと、ぐるぐると考えてしまって眠れない場合はどうしたらいいのだろうか。精神科医の井上智介さんは「ぐるぐる考えてしまう『マインドワンダリング』は人の自然な反応だが、止まらなくなると睡眠を妨げる。それで眠れないという人は、寝る前に『ジャーナリング』をしてみるといい」という――。
不眠症
写真=iStock.com/janiecbros
※写真はイメージです

「マインドワンダリング」は自然な反応

夜、布団に入ってからなかなか寝付けないという人の中には、寝る前にいろいろなことを考えすぎてしまって眠れなくなるというタイプの人もたくさんいます。「あの時、ああしておけばよかった」「どうしてあんなことを言ってしまったんだろう」など、過去を振り返って反省したり後悔したりすることもあれば、「今日引き受けた仕事は、この先大丈夫だろうか」「来週のプレゼンはうまくやれるだろうか」と、未来について考えて不安になったりすることもあるでしょう。

こうした、過去を振り返ったり未来を不安に感じたりと、頭の中でぐるぐる考えてしまう「マインドワンダリング」は、自然な反応ですし、考えること自体は悪いことではありません。ただ、そこで「考えていても仕方がない」「何とかなるだろう」と思えれば、そのうち眠りにつけますが、止まらなくなると睡眠を妨げてしまいます。