なぜ「雑談が苦手」と感じてしまうのか
仕事でもプライベートでも、雑談はなかなか避けることができません。特に職場での雑談は、直接仕事に関係するわけではありませんが、協力関係を築いたり、人間関係を円滑にして、今後仕事の話を進める土台を作るうえでも役立つことがあります。雑談が苦手だと、こうしたメリットを得られないだけでなく、人と交流するのが憂鬱になったりしてしまいます。
「雑談が苦手」と感じる理由は、大きく2つあります。
一つは「人からどう思われているか」が気になってしまうから。
話しているときに、相手の反応が少しでも悪かったり、笑顔がなかったりすると「自分のことが嫌いだからではないか」「何か気に障ることを言ってしまったのではないか」と心配になるのです。相手の反応に過敏になり、緊張するので疲れてしまい、つい、会話を避けるようになってしまいます。そのために経験が積めず、余計に苦手意識が強くなってしまうという悪循環に陥ります。
もう一つは「人との交流が苦手」というケースです。
新しい環境の中で人と交流することや、初めて会った人と話すことは、誰でもある程度の苦手意識があるものです。しかし、その苦手意識が強いと、こちらから交流することができず、話しかけられるのを待つばかりになる。自分から輪の中に入っていくことができないので、なかなかなじめず、孤立しやすくなります。
人は自分のことをそれほど見ていない
雑談が苦手な人は、これら二つのいずれかか、両方に当てはまる人が多いと思います。いずれも「ありきたりなことばかり言う、面白みのない人と思われているんじゃないか」「変な人だと判断されるのではないか」といったプレッシャーやストレスを感じています。人から判断されることに対する恐怖心があるのです。
ですから、まずお伝えしたいのは、「人はそれほどあなたのことを見てはいない」ということです。みんな自分のことに精いっぱいで、雑談でほかの人が何をどんなふうに言ったかというところまで、気にしていたり、覚えていたりすることはありません。そこに気づいてほしいと思います。
試しに、隣の席の同僚が、昨日どんな柄のネクタイをしていたか、何色のズボンやスカートを履いていたか、思い出してみてください。うろ覚えだったり、全く覚えていない人も多いと思います。そんなものなのです。
それを頭に入れたうえで、雑談に苦手意識がある人への、簡単な雑談のテクニック四つをお伝えしましょう。