通常の業務に加えて、他部署や組織外の人々との協働プロジェクトなどに追われ、疲弊している人も少なくないだろう。グロービス経営大学院教授の若杉忠弘氏は「今、リーダーの“コラボ疲れ”が増えている。不要なコラボの量を減らし、コラボの質自体も高める必要がある」という――。

※本稿は、若杉忠弘著『すぐれたリーダーほど自分にやさしい』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

オフィスで頭を抱えるビジネスマン
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優秀なリーダーほど”コラボ疲れ”が増えている

今、リーダーが参加しなければいけないミーティングは増えるばかりです。定例のチームミーティングや部門内のミーティングはもちろんのこと、メンバーとの定期的な1on1ミーティングもあります。

部門横断のプロジェクトが数多く立ち上がり、そのための進捗ミーティングにも出席する必要があります。さらに、組織の外のプロフェッショナルやパートナー、時には顧客とも協働するケースも増えてきました。

こうしたコラボレーションに疲れてしまうことを、「コラボ疲れ」といいます。今、このコラボ疲れが猛威を振るっているのです。ある調査によれば、コラボレーションに費やしている時間は、1日に働く時間の8割も占めていると言われています。そして、この時間は、過去20年間で50%以上増えているというのです。

さらに、コラボレーションの負荷は、優秀な人にとくに集中しやすい傾向にあります。実際、企業の中で起きているコラボレーションの20~35%は、社員のわずか3~5%で回しているというデータもあります。しかし、どんなにすぐれたリーダーでも、自分のキャパシティを超える負担を抱えてしまっては、いずれ燃え尽きてしまいます。

たとえば、20の企業を対象に実施したある調査では、周りから頼りにされ、さまざまなリクエストを受けているリーダーであればあるほど、仕事の熱意も低くなり、自分のキャリアにも満足をしていなかったというのです。