「Blueskyに招待してもらった」が自慢に?
実際、閲覧制限騒動が起きてから、Twitterから離れるユーザーが増えている。そのひとつがTwitter共同創業者が始めた分散型SNS「Bluesky」だ。BlueskyはTwitterに似たSNSで、2023年2月より招待制のベータ版が提供されている。参加するには既存のユーザーから招待コードをもらう必要があるため、現状ではアカウントを作れること自体がちょっとしたステータスになる。
この数日は、Twitterで「Bluesky始めました」と告知するツイートも目立った。Twitterの移行先としては格好のSNSであるし、招待してもらえる立場を自慢する意図があるのかもしれない。
分散型SNS「Mastodon(マストドン)」への乗り換えも進んでいるようだ。開発者のオイゲン・ロチコ氏は4日、週末にMastodon全体のアクティブユーザー数が29万4000人増加したと投稿した。
日本で誕生した分散型SNS「Misskey」のサービス「Misskey.io」は、今年2月時点で3万人だった登録者数が7月2日には20万人に。支援者限定投稿で招待コードを発行していたが、新規登録者が増加、招待コードの転売行為が見られたため対処するなどしている。
さらにメタ社は、テキストベース会話アプリ「Threads an Instagram app」について「7月6日公開予定」と告知している。これはTwitter危機という好機を逃すまいという意図がありそうだ。
Threadsは2019年に、「親しい友達」リストの相手と写真や動画を通じてメッセージのやり取りができるメッセージアプリとして登場。20年に大幅アップデートし、誰にでもメッセージが送れるようになっていた。この機能がInstagramでも使えるようになったことで、21年に終了している。
「Twitterの終わり」の始まりになるか
新しくリリースするバージョンでは、Twitterの代替となるテキストベースコミュニケーションができ、知人や友人などをフォローしたり、投稿に対してコメントしたりできるという。料金は無料で、英語や日本語など約30の言語で使えるそうだ。
ただし、アプリ名に「Instagram」と入っており、InstagramやFacebookと人間関係が紐づく可能性がある。これらのSNSとは別の場としてTwitterを楽しんでいたユーザーにはその点が懸念されるところだが、アカウントを完全に分ければ問題ないかもしれない。
2020年度の総務省の調査報告書(2021年8月発表)によると、Twitterは日本人全年代の42.3%が利用しており、とくに10代は67.6%、20代は79.8%と、若い世代では過半数に浸透している。
今こそ、唯一無二の存在となっていたTwitterからの乗り換えを促進する最大の好機だ。このままほかのSNSへの乗り換えが進み、本当にTwitterが終わるのか、それともTwitter側の対処が間に合い制限解除となるのか、注目していきたい。