いまは生き方を見つめ直す時期

わたしたち一人ひとりが「やるべきこと」をしっかりやり、倫理観を持って行動すれば、社会全体が大きな混乱に陥るのは避けられるはずです。

そのために、いまわたしたちは、巷にあふれる不正確な情報に煽られることなく、時間をかけて、自分の考え方や生き方を見つめ直す時期にきているのではないでしょうか。

それこそ、家のなかや身のまわりの整理をしたり、仕事や生活、将来について考えたりするのもいいでしょう。

少しだけ増えた自由な時間に、家でゆっくりと自分を見つめ直してみる。すると、やがて違う考えや景色が見えてくるはずです。

わたしたちは、今回の出来事を「禍を転じて福となす」とし、一人ひとりが力強く立ち直らなければなりません。

たとえ健康に問題がなかったとしても、現実に経済的な打撃を受けた人は多いでしょう。長年やってきた店を畳んだり、突然職を失ったり、仕事が減ってしまったりした人もたくさんいると思います。

つらいことですが、それだけを考えていたら心が疲れ果てて、自分をダメにしてしまいます。

いつか暗闇を抜けて、前に向かって再び歩きだすときはやってきます。そのときのために、心の免疫力を保つ、それがいまもっとも大切なことです。

自分でコントロールできないものに振り回されて、自分を疲弊させてしまうことほど、最悪なことはありません。

自分のせいではないのに、それによって自分が乱されたら、こんなに悔しいことはありません。ウイルスをはじめとする外的要因に、自分の人生や暮らしや心を好きにさせてはいけません。

心の免疫力を高めて、自分をしっかりと持っておく。そして、次のステップへ進みましょう。

これは人間関係のストレスをはじめ、すべての心の疲れに通じています。

心と体と環境のクリーニングをしよう

わたしたちは、いまこそ自分が「やるべきこと」をやり、ふつうの生活に戻していく必要があります。

なにをいちばん大切にしなければならないのか――。

それは、やはり自分を見失わないことに尽きます。

不安に煽られてはいけません。不安にかられると、なにより将来に対しての見通しが立たなくなってしまいます。

自分を見失わないためには、自分がどんなことに希望を持ち、人生でなにをやって生きていきたいのかを、もう一度自分で見つめ直すことをおすすめします。ぜひいまのあなたの生活習慣から変えていってください。

人生には思いどおりにならないことがありますが、生活習慣は自分の意志で変えられます。早起きをし、3食をきちんと食べ、食事は腹八分目に。継続的に運動をして、夜は湯船に浸かって疲れを癒やす。そして、早めに寝る。

いますぐにでもできるはず。

自分でできることからはじめたら、次は周囲の環境を整えていきましょう。部屋を整理し、長年使っていないものを処分する。心も体も環境も、すべてをクリーニングしてみてはいかがでしょうか?

小林弘幸『自律神経が10割』(プレジデント社)

その過程で、あなたの心と体は変わっていくことでしょう。それまでとは違う自分がいることに気づくはずです。新しい自分になることで、また新しい発見や出会いがきっとあるはずです。

不安があるなかで、自分を励まし続けて生きる。

いちばんよくないのは、押し寄せてくる波に押しつぶされることです。そうではなく、理不尽な波であっても、いかにうまく乗るか、流れをどうやって変えるのか。

いましかできないことを、しっかりやりましょう。

わたしたち一人ひとりの行動に、この社会の行く末も、未来の希望もかかっています。

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