トヨタが本気を出せばテスラなど敵ではない

たとえば、6月13日の日本経済新聞に「トヨタ、27年にも全固体電池EV投入 充電10分で1200キロ 量産技術の開発急ぐ」との記事が掲載されました。現在、EV(電気自動車)に利用されている電池は、液体リチウムイオン電池が主流ですが、製造がしやすい反面、充電するのに時間がかかる、航続距離が短いなどの難点があります。

これに対して、全固体電池は、小型で充電時間が短く、航続距離が長いというメリットがあります。全固体電池の研究開発で先行するトヨタ自動車は、すでに1000以上の関連特許を持っています。

その成果として2027年にも全固体電池を搭載したEVを市場に投入するというのです。それが実現すれば、10分以下の充電で1200キロメートルを走行できるというのですから驚異的です。トヨタが本気を出せば、テスラをEV市場から追い出す破壊力を持っているのではないでしょうか。

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世界首位のヘッジファンドが15年ぶりに日本拠点設置

実は日本の自動車産業に期待している運用会社は少なくありません。運用成績で世界首位のヘッジファンド、米シタデルもその一つです。6月14日の日本経済新聞には「日本株 消費・車に照準 米シタデル、15年ぶり日本再進出 『次なるソニー』期待」との記事が掲載されました。

同社は2008年まで東京にオフィスを構えていましたが、リーマンショックで大きな損失を出し、リストラの一環として東京拠点を閉鎖しました。その後は、日本国外に運用担当者を置き、日本株への投資を続けてきました。

そして今回、15年ぶりに日本再進出を決めたのです。運用において日本株の重要性がそれだけ増してきているということでしょう。

記事によると、同社の創業者で共同最高投資責任者のケン・グリフィン氏は急激な電気自動車(EV)シフトが進む自動車業界で日本メーカーの動向に関心を示しているといいます。また、「適度なインフレ率に向けて正常化する兆しがみえる」とも指摘しています。

私自身も6月中旬から世界の投資マネーがいよいよ日本に入り始めたと感じています。