日本経済新聞はビジネスパーソンに欠かせない存在だ。読み方によっては投資のヒントを得ることができる。複眼経済塾の渡部清二さんは「最近の新聞記事からジャポニスムの再来を確信している。その結果、日経平均株価は5万2000円に到達する可能性もあるだろう」という――。
株価チャートをノートパソコンとスマホで見る男性
写真=iStock.com/oatawa
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「投資の三種の神器」で投資すべき企業を見つける

私が主宰する複眼経済塾では、「身近な気づき」から投資すべき企業やテーマを見つけることを教えています。そのために活用しているのが「投資の三種の神器」です。これは、私が証券会社で働いているときに先輩から授けられたものです。

投資の三種の神器とは次の3つです。

1 『四季報』読破
2 日経新聞の切り抜き
3 指標ノート

四季報』の読破や指標ノートについては別の機会に紹介したいと思いますが、いずれも「誰でもいつでも始められる」という特徴があります。とくに日経新聞の切り抜きは日々、さまざまな投資のヒントを与えてくれます。

この記事では、私が最近、日経新聞から切り抜いた記事から見えてきた、新たな動きについて紹介します。キーワードはジャポニスムの再来です。

注目すべきテーマは「ジャポニスムの再来」

ジャポニスムの再来とは日本回帰のことですが、当塾では2015年ごろから「ジャポニスムの再来」を大きなテーマとして掲げてきました。それがいよいよ本格化しつつあることが最近の新聞記事から読み取れます。これは日本の株価を大きく押し上げることにつながります。

その結果、日経平均株価は早ければ、今年12月に、遅くとも来年の7月までには、1989年12月の最高値である3万8915円を超える可能性があると考えています。同時にニューヨークダウは本格的な下落に転じ、20年程度は復活しないことも起こりうると見ています。ジャポニスムの再来によって日本への資金シフトが始まっているからです。

具体的に見ていきましょう。

たとえば、6月14日の日本経済新聞に「ゼンショーHD、米英すしチェーン買収 M&A 最高額874億円」という記事が掲載されました。ゼンショー(7550)が買収したのは北米や英国で、すしチェーンを手掛けるスノーフォックス・トップコで約3000店の持ち帰り寿司店を展開しています。また、食品スーパー向けのすし卸し売り事業も手掛けています。

ゼンショーは海外の日本食事業を拡大

このM&Aによってゼンショーはアフターコロナで回復が期待される海外の外食事業を拡大します。寿司をはじめとする日本食は外国人の間でブームになっていますし、日本へ旅行に来る目的の一つにもなっています。外国人が絶対に食べたいと思う日本の珍味は「ウニ」「うなぎ」「ふぐ」だといいます。

それに対応するためかどうかはわかりませんが、とらふぐ料理専門店の「玄品ふぐ」などを展開する関門海(3372)は、うなぎの提供を開始するそうです。さらにウニを提供すれば、インバウンド向けに最強の店になると私は思います。

こうした日本ブームと同時に、日本企業の躍進を想像させる記事も多くみられるようになっています。