「防衛費増額のための増税案」を潰す一丁目一番地
さらに、日本医維新の会の猪瀬直樹参議院議員などの野党有力政治家の間でも、加熱式たばこを目の敵とする政策はおかしいと主張する声も少なくない。また、今年5月に開始された経済学者の蔵研也氏の加熱式たばこ増税反対署名も3万筆を超える署名が集まっている。
その上で、ハームリダクションの大義名分に基づいた自民党所属議員の議員連盟の増税反対論が展開されることで、岸田政権はたばこ増税をこのまま無理やり押し通せるだろうか。
仮に最も安易な増税であるたばこ増税すら実行できなければ、同政権が志向する無意味な防衛増税も困難になることは間違いない。
筆者もかつては喫煙者であったが、今は非喫煙者だ。それであっても、加熱式たばこの増税は止めるべきだと考える。
中国が米国・日本を脅かす軍事力を手に入れた理由は中国の急速な経済成長による税収増加だ。経済成長を阻害する増税を断行し、中国に対抗する防衛力を整備するという話は悪い冗談でしかない。まさに、日本の防衛力強化のために「増税阻止」は必然であり、「加熱式たばこ増税」を葬ることは他増税も含めて根こそぎ潰す一丁目一番の政策方針と言えよう。