指導教官からいじめられるようになった

そんな中、とてもショックなことが起きます。

ある指導教官から意地悪をされるようになったのです。わざわざみんなの前で、私が答えられないような質問を、答えられないような言葉を使ってする。周りの人に「あの研修医は使えない」と言う。私が挨拶しても、返事をしないし、目を合わせない。私の気のせいではなく、意識的にやっているものだとわかりました。

どうしようか悩んだのですが、その指導教官に正直に話すことにしたんです。「私の知識や実践力にビハインドがあるのは事実だし、本当に分かっている。追いつくための努力も必要だし、足りないことを私は認めている。でもあなたから私への対応は、それを超えたパーソナルなものがあると感じる。“Educational for me and not painful for you(私にとっては教育的で、あなたにとっては苦痛のない)”な関係を築きたいと。

「適性がないのでは」科内で疑いの目が向けられた

結果として、その指導教官から私への攻撃は増すことになりました。さらに私が正直に話した言葉を少し曲げて「自分の落ち度を認めず、指導医を攻撃するような非倫理的(unethical)な人だ」と研修をしていた科内で報告されることになりました。指導教官は自分が報告されるのが怖いと思ったのかもしれません。

私は、研修医としての適性があるのか、科内で審査をかけられることになりました。

写真=iStock.com/kuppa_rock
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その時は、否定したいような気持ちでいっぱいになりました。私が能力的にビハインドだったことはありますが、パーソナルな攻撃があったのは明らかだったし、それを周囲の見ている人たちも気づいていた。こんなのインジャスティス(不公正)じゃないかと。嫌で嫌でたまらなかったです。

ですが、こういう状況になったら、もう自分の能力を証明するしかありません。