ピーク時の150万部超から7.4万部に落ち込む

実際、この10年間の総合週刊誌の落ち込みは目を覆うものがある。

日本雑誌協会が公表している「印刷証明付部数(いわゆる発行部数)」で、「週刊朝日」の最後のデータを確認できる2022年10~12月を基点に見てみよう(図表1)。

「週刊朝日」の発行部数は、22年10~12月の平均で7万4627部。「コロナ前」の3年前と比べると約3分の2、10年前に比べると約3分の1に激減している。1950年代には150万部を超える発行部数を誇ったが、最後は全盛期のわずか5%にまで落ち込んだ。

発行元の朝日新聞出版は、休刊の理由に「週刊誌市場の販売部数・広告費の縮小」を挙げたが、休刊に至る苦境は10年以上も前から推察できたにもかかわらず、活版ザラ紙という印刷メディアにこだわり続けた結果、「臨終」を迎え、「葬式」を出さざるを得なくなったのである。

週刊誌全体が激減トレンドに直面

他の総合週刊誌の現況も厳しいの一言に尽きる。

「週刊朝日」と同根の「AERA」は5万7833部で、10年前の発行部数と比べると半分以下になった。長年のライバルだった「サンデー毎日」は、「週刊朝日」の半分以下の3万6389部で、10年前の7割しかなく、3年前からも4割減っており、青息吐息だ。

毎週のようにスクープを放つ「週刊文春」こそ47万3115部を数えているが、10年前に比べれば3分の2、3年前からも15%程度落ち込み、反転しそうな気配は見えない。「文春砲」がニュースや話題を提供しても、売り上げにつながっていないのが実情だ。

「週刊現代」は35万6000部(10年前比62.1%)、「週刊ポスト」30万0000部(同62.8%)、「週刊新潮」29万1582部(同52.0%)と、軒並み4~5割減という惨憺さんたんたるありさまだ。

「家に持って帰って家族みんなで楽しめる」新聞社系週刊誌であれ、「電車の網棚にでも読み捨ててくればいい」という出版社系週刊誌であれ、激減トレンドは似たようなもの。一般週刊誌や女性週刊誌も、銘柄によってバラつきはあるものの、週刊誌全体が同じような危機に直面している。

週刊誌の存在感が希薄になっていくのは、もはや不可避だろう。