日本には「やんちゃな週刊誌」が必要だ
雑誌ジャーナリズムに共感し、週刊誌を購読する愛読者は必ずいる。
だから、週刊誌づくりのコンセプトを丸ごとネットメディアとして展開しても、これまでわざわざ書店やキヨスクに足を運びお金を出して読んでいた人は、読みたい記事があれば印刷メディアの週刊誌と同じように購読することが期待される。
ネットで盛り上がる話題のネタ元は、少なからず週刊誌にあった。週刊誌発のコンテンツがネットで広く流布されるとなれば、週刊誌の影響力は以前にもまして大きくなっているということもできる。
だが、出版社のネットへの取り組みは、大幅に遅れた。文春オンラインやデイリー新潮のように、独自のネット展開を始めているところもあるが、まだ少数派だ。
NTTドコモのdマガジンやauのブックパスのようなネットサービスでは、出版されている雑誌の大半を読むことができるが、誌面をそのまま載せているにすぎない。しかも、すべての雑誌をあわせて月額数百円という値付けでは、あまりの安さにビジネスとして成り立つはずもない。
雑誌ジャーナリズムが生き残りさらに輝くためには、印刷メディアに見切りをつけ、舞台をネットメディアへ移すことが必須だろう。
ネットをプラットフォームとする、あらたな形態の「ネット週刊誌」である。
速報性や蓄積性、双方向という、ネットメディアの特性を十分に生かした報道ができれば、印刷メディアの週刊誌が消え行こうとも、朽ちることはないはずだ。