日本の国民負担率はイギリスより高い

次に国民負担率の国際比較(図表1)を見よう。海外の国民負担率は、少し古いデータしか公表されていないのだが、2020年のデータ(日本は2020年度)で見ると、国民負担率はアメリカが飛び抜けて低い。

日本はイギリスよりもやや高く、大陸欧州諸国は日本よりもさらに高くなっている。

出典=『ザイム真理教』(三五館シンシャ)

教育機関に対する公的支出はOECD最下位

大陸欧州との比較には注意が必要だ。大陸欧州は、総じて社会保障や教育のサービスレベルが日本より格段に高いからだ。

たとえば、スウェーデンは自国民であれば、私立大学でも公立大学でも学費は無料だ。

ドイツも公立大学は無料、フランスは政府が大部分の学費を負担してくれる仕組みになっている。

イギリスは地域ごとに大学の年間授業料が異なっており、イングランドでは上限が9250ポンド(約150万円)と高額だが、スコットランドの住民は域内の大学の授業料が無料となっている。

ちなみに2015年のOECD加盟国で、GDPに占める小学校から大学までの教育機関に対する公的支出の割合は、日本は2.9%で、比較可能な34カ国中で最下位だった。