ビジネスエリートがサウナにハマる理由

これに合わせて、サウナ中に腸に適度な刺激を与えるストレッチや呼吸法をおこなえば、さらに健康効果は大きくなると考えて間違いないでしょう。

プロローグにおいて、一人ひとりが感じる「気持ちいい」という感覚を道しるべにして、サウナを楽しみつつ、健康になっていただきたいと書きました。

小林弘幸『医者が教える 心と体が本当にととのう サウナ習慣』(Gakken)

実は、この「気持ちいい」という感覚にも、腸が大きく関係しています。

最近、私は日々の研究において「オキシトシン」というホルモンに大変注目しています。

オキシトシンとは、脳に多幸感を与える……いわゆる「幸せホルモン」のひとつで、脳の視床下部というところから分泌されるのですが、その分泌の指令を脳に出す臓器こそが腸なのです。

サウナに入ったあとに、なぜかイライラ感がなくなるのは、このオキシトシンが分泌されているためです。

ビジネスエリートと呼ばれるような経営者がサウナにハマるのも、ストレスが多く、競争も激しいビジネス界で受けるストレスをオキシトシンで上手に受け流すことができるから……といえるかもしれません。

かくいう私自身も、当初は少なからず疑いながら試してみたサウナでしたが、なにやら体の中に根源的なやさしさが満ちるような幸福感の虜となってハマってしまったのですから、オキシトシンパワーは絶大であるというほかありません。

また、感染症対策という意味でも、ウイルスや細菌などの外敵から私たちの健康を守ってくれる免疫細胞の約70%は、腸内に集まっているため、サウナの力で腸を鍛える意味は大きいといえます。

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