「噛む」こと自体が脳にいい

高齢になればなるほど「食べることが生きる喜び」になります。

「美味しく食べる」ことは幸福な人生に直結していると言っていい。このことに関連して、ぜひ知っておいてほしいのが「噛む」ことの大切さです。

もちろん、しっかり噛んで食べたものを咀嚼そしゃくすれば、それだけしっかり栄養を摂ることができますが、それだけではありません。

「噛む」こと自体が、脳にいいこともわかっています。

写真=iStock.com/metamorworks
「噛む」こと自体が、脳にいい(※写真はイメージです)

ガムを噛むだけで正解率が2倍に

ガムを噛みながら記憶力テストをしたところ、正解率が2倍に上がったという報告もあります。

ガムを噛んでいるときの脳の状態を調べたところ、血流量が増えていました。とりわけ脳の奥深くにあって短期記憶を司る「海馬」の血流が増えていたそうです。

このメカニズムは以下のようなものだと考えられます。

ガムを噛むと、ほほの少し後ろにある咬筋が動きます。その咬筋は、三叉さんさ神経によって脳とつながっているので、咬筋を動かした信号により脳が刺激され、血流が増えるという仕組みです。

また、ガムを噛むと歯の歯根膜が圧力を受けます。歯根膜からの信号も脳へと伝わって刺激となるので、こちらも脳の活性化につながります。

脳の衰えを防ぐためには「噛む力」が重要です。