我慢が日本人の寿命を短くする

食べたいものを我慢する生活は、動脈硬化は防ぐかもしれませんが、免疫機能を低下させてしまいます。

動脈硬化から起こる心筋梗塞にかかる人は減るかもしれませんが、ガンにかかるリスクは高まります。

もともと日本人は、心筋梗塞にかかる人より、ガンにかかる人のほうがおよそ1.8倍も多いのです。

結果的に、食べたいものを我慢する生活は、日本人の寿命を短くすることになりかねません。

食べたいものを食べ、美味しいと感じたほうが、免疫機能も高め健康に寄与する可能性が高いのです。快体験は、免疫機能の維持にいい影響を与えるからです。

「美味しいものを食べる」と前頭葉が活性化

さらに、美味しいものを食べるとき、人の前頭葉は大いに活性化します。

老人ホームなどで多くの高齢者を見ていると、「食べること」が大きな楽しみになっているとつくづく感じます。

とくに中高年以降、贅沢なグルメでなくても「食べる楽しみ」は、誰にでもできて脳を活性化させる効果的な方法です。

ただ、お酒については注意が必要です。

高齢になると、飲み仲間がいないとか、眠れない、気分が晴れないといった理由から、ひとりで飲むことが多くなります。

ひとり酒は酒量が増えやすく、アルコール依存症のリスクも高くなってしまいます。

ひとり酒は酒量が増えやすく、アルコール依存症のリスクも高くなる(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/liebre
ひとり酒は酒量が増えやすく、アルコール依存症のリスクも高くなる(※写真はイメージです)

好きなものを味わいつつ、お酒をたしなむくらいならいいのですが、ひとりで酩酊めいていするまで飲む、という習慣がつかないように気をつけなくてはいけません。