「噛む」こと自体が脳にいい
高齢になればなるほど「食べることが生きる喜び」になります。
「美味しく食べる」ことは幸福な人生に直結していると言っていい。このことに関連して、ぜひ知っておいてほしいのが「噛む」ことの大切さです。
もちろん、しっかり噛んで食べたものを咀嚼すれば、それだけしっかり栄養を摂ることができますが、それだけではありません。
「噛む」こと自体が、脳にいいこともわかっています。
ガムを噛むだけで正解率が2倍に
ガムを噛みながら記憶力テストをしたところ、正解率が2倍に上がったという報告もあります。
ガムを噛んでいるときの脳の状態を調べたところ、血流量が増えていました。とりわけ脳の奥深くにあって短期記憶を司る「海馬」の血流が増えていたそうです。
このメカニズムは以下のようなものだと考えられます。
ガムを噛むと、ほほの少し後ろにある咬筋が動きます。その咬筋は、三叉神経によって脳とつながっているので、咬筋を動かした信号により脳が刺激され、血流が増えるという仕組みです。
また、ガムを噛むと歯の歯根膜が圧力を受けます。歯根膜からの信号も脳へと伝わって刺激となるので、こちらも脳の活性化につながります。
脳の衰えを防ぐためには「噛む力」が重要です。