人間力が問われる入試に

募集人員の削減は、合格者の選び方にも影響を与えています。

実際、昨今の入試では生徒の学力だけをみるのではなく、人間性の側面からも「医師にふさわしい資質を有しているかどうか」をかなり厳しくみられるようになりました。

学力だけでなく、患者さんへ寄り添う心や思いやりといった、人間力の部分も問われる入試に変化しているのです。

受験生に求められる質は年々高くなり、医学部に合格することは年を追うごとに厳しくなってきています。

AI技術の台頭にともない、単に「勉強ができる」というだけでなく、人としての「生産性やホスピタリティある人材」を取りたいという、大学側の想いもあるのでしょう。

昨今の医学部受験では、小論文や面接も重視されています。

ある意味、今後の医学部受験は「就職試験」のような要素が濃くなっていくと予想しています。

将来医療がどうなっていくか、また自分はどうなりたいのか、学生のうちからしっかり考える必要があるのです。

海外の医学部に進む日本人が増えている

実は日本の医学部受験に失敗したという場合でも、医学部を目指す方法があります。

その一つが、ハンガリーやチェコの国立大学の医学部に進学するという方法です。

日本ではまだメジャーな進路ではありませんが、この方法で海外の医学部に進む日本人は着実に増えています。

一般的な医学部受験ルートでは合格するのが難しい人たちでも、このルートで医師になれる可能性がぐんと高まるからです。

写真=iStock.com/NiseriN
ハンガリーやチェコに留学するという方法も(※写真はイメージです)