「医学部は浪人しなければ入れない」とよく言われる。受験カウンセラーの野田英夫さんは「現役合格率は30%で、浪人が当たり前という雰囲気がある。しかも医学部の定員は減少傾向にあるため、日本の医学部への進学をあきらめ、海外に進学するケースも増えている」という――。

※本稿は、野田英夫『『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』 偏差値40から浪人せずに医者になる方法』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

現役で医学部に合格できるのは約30%

よく、「医学部は浪人しなければ入れない」と言われますが、果たして本当にそうなのでしょうか。

データ上、“現役”で医学部に合格できるのは、約30%とされます。残りの約70%は浪人生ということになります。

これだけ浪人生が多いと、「医学部に入るなら浪人して当たり前」という雰囲気にもなってきてしまいます。

大多数の子どもたちは、医学部を志望することを、半分真剣、半分曖昧に捉えて中学・高校時代を過ごすもの。高校3年生になってから真剣に受験勉強を始めても、現役で合格することはほぼ困難です。

勉強している中学生
写真=iStock.com/mapo
現役で医学部に合格できるのは約30%(※写真はイメージです)

高校1年生の時点で共通テストで9割正解

1浪したとしても、医学部進学の特性上、周りには浪人生が多い環境なので「もう1回、浪人すればいいか」となり、それが2回、3回と続いてしまうことが多いようです。

こういった点を踏まえると、医学部受験はやはり困難なもので、浪人するケースが多いといっていいでしょう。

では、どのような人たちが“現役”で合格しているのかというと、高校1年生の時点で大学の共通テストで9割の正解が取れるくらいに仕上がっている人たちです。

こういった人たちは、その上で高校2、3年生の間に、受験校の過去問分析を何十年分もしていきます。

すなわち、高校3年間をかけて、受験科目に一つも不安が残らない状態にして医学部受験に臨むので、現役合格が可能になるのです。