一番やってはいけないのは「受けて終わり」

では、健康診断で本当に健康になるには、どうすればいいのでしょうか。

1つには、「一喜一憂しなくていい項目」と「注意するべき項目」を把握することがあります。腹囲や体重といった項目は、実はそこまで気にする必要はありません。逆に、血圧、血糖値、血中脂質などは、前述したように心筋梗塞や脳卒中などのリスクになるため、気にする方がいいでしょう。これもまた、健康診断についての正しい知識です。

もう1つは、健康診断を「受けて終わり」にしないことです。健康診断の結果に応じて、行動を起こすことが、健康になるためには不可欠です。

それなのに、リーフレットが手渡されるだけ、メールが来るだけというのが、今の健康診断の最大の問題とも言えます。ここで「定期的な運動」「適切な食習慣」と言われたとて、それがさまざまな理由でできない私たちには漠然としすぎていて、手を出せません。

まずは、必要な行動を具体的なルーティンまでとことん落とし込むこと、そして、そのルーティンが生活に組み込まれるまでサポートすること、この2つができれば、人は健康診断で本当に健康になれるのです。

ダイエットの前にまずお通じを良くしよう

そこで、私はまず、お通じの問題に取り組むことにしました。正しい知識を持ち、実践し、習慣にするというサイクルを、ひとまず身近な便秘の解消に回してみるのです。

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私はダイエットに成功した後も、いわゆるぽっこりお腹で、お通じが出たり出なかったりと不規則。出ない日はどうしても不快感がつきまといます。増加してしまった脂肪の減量は後に回すとして、まず、ルーティンの効果を自分で検証するという狙いでした。

医師も治療のときに参照する『慢性便秘症診療ガイドライン 2017』では、便秘の解消に有効なのは食事と運動です。例えば食事について「1日3食きちんと摂取する」ことは目新しさがありませんが、朝食が体内リズムを整え、胃や腸を刺激し、排せつの反射を促しやすくすることがわかっています。

また、特に朝、食後にトイレに「とりあえず座ってみる」ことで、排せつのリズムが整えられやすくなることが、専門家らによって勧められています。

そして、よく言われるものの、意外と実践できていないのが、水分をしっかり摂取すること。便が柔らかくなり、排せつしやすくなることが知られています。

そこで私が朝のルーティンにしたのが、以下の3つの習慣です。