治療が良い方向に向かい、症状が劇的に緩和
このようなときに下手に断ると逆上させてしまうかもしれません。そのため、私は妄想を延々話し続けるBさんの隣で、ドロドロに伸びきったそばをすすりました。その時のことは今でもよく覚えています。
Bさんに関してはその後、治療が良い方向に向かい、生活を落ち着かせることに成功しました。
一度、ご家族の協力のもと医療保護入院をしたところ、医師が非常に合う薬を処方してくれ、症状が劇的に緩和されたのです。
いまは医師や医療機関が代わっても、必ずその薬を処方してもらえるよう、私たちがしっかりチェックしています。
その後Bさんは問題行動もなく、安定して過ごすことができています。
トイレは10年単位で汚れが蓄積し、便座も真っ黒
60代のCさんは生活保護を受けながら、風呂なしの古いアパートで独り暮らしをしていました。
もともとの病名は統合失調症ですが、何年も患うなかで、最終的に病名が認知症に変わった患者さんでした。
統合失調症になって何年も経つと、脳が萎縮してくることがあります。
特に未治療の場合など、認知機能低下となり、次第に認知症と同じような症状になるケースが少なくありません。Cさんもまさしくそのようなケースでした。
最初は統合失調症として訪問をスタートしたCさんですが、5年ほど経った頃から認知症の症状がひどくなり、自分ではほとんどなにもできなくなってしまいました。
そのため生活面のケアも含めて週に3日ほど訪問を継続していたのです。
生活保護で暮らしていたCさんの自宅は今にも崩れそうなアパートでした。トイレは10年単位で汚れが蓄積し、便座も真っ黒な状態でした。