「100人飲み会」は無駄ではない
会社によってはコロナ禍前には「100人飲み会」があった職場も少なくないと思います。
「100人飲み会なんて時間とお金の無駄だよ。絶対参加したくないね」
と考える読者の方、悪いことを言わないので一度、これからお話しすることを聞いてください。
アフターコロナで経営者が一番復活させたいことのひとつが大人数での職場宴会です。事業部単位なら100人飲み会になりますし、支店や営業所単位なら十数人から数十人の飲み会になるでしょう。
この規模の飲み会に参加しても話ができる同僚は数名ですし、場合によってはあまり知らない人と同席することになって苦痛な時間になりかねません。だから敬遠する人が多いのですが、これが実は職場からみれば「風土を醸成するためにとても重要な時間」になるのです。
だから新人の歓迎会や忘年会など理由をつけて職場では大人数の宴会が開かれます。これは会社にとって意味があるだけではなく、実はみなさんにとっても意味がある場です。なぜなら社内の「いいね」をたくさん集めるには大人数の方が効率がいい。大規模にバズりたいならなおさらです。
ですから、
「なんとかうまく逃げ出せないか」
という発想をやめて、一度ポジティブに、
「この機会をどう生かそうか?」
と考えてみてください。一番いい方法は幹事に名乗り出ることです。
幹事を引き受ければ、上の人とつながれる
大規模な社内宴会の幹事をするというのは仕事としては大変なのですが、実は社会生活に役立つ実務スキルがとても多くたまる機会でもあります。そもそも100人で宴会ができて、ひとり5000円以内で済んで、しかも部長がよろこぶ(食事がまずいとかいって顔をしかめない)お店を選ぶこと自体、ミッションとしての難易度が高いものです。
そこで幹事にとっては自力でやるよりも他の社員の力を借りる必要がでてきます。過去に幹事をやった先輩や、日ごろ話しづらいナナメ上の(つまり上司ではない)管理職のひとに宴会を理由にお願いを乞うことになります。
実は幹事をやるときの最大のノウハウは、こうやって少しずつ上の人の助けを借りること。これはあらたに顔を覚えてもらうことにつながるうえに、これから起こるであろうさまざまなトラブルについても、上のひとたちが心理的に共同責任を感じてくれるという意味で重要な布石になります。そして成功しようが大失敗しようが、記憶に残るという意味で職場での承認欲求を満たす最大のチャンスになるのです。