会社の飲み会は不要なのか。経営コンサルタントの鈴木貴博さんは「会社員人生を充実させたければ、飲み会に出たほうがいい。飲み会は社内で“バズる人”になるチャンスだ。会社員人生で役立つスキルも身に付けられる」という――。
宴会で乾杯するビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
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なぜか社長や役員に知られている「目立つやつ」

コロナ禍で今の会社に入社して、3年間リモート会議でそれほど出社する機会もなく、マスクのおかげで同僚の顔もろくに知らない。そんな環境で育った若手社員が、これまで会社からは教えてもらえなかった大切な仕事術の話をします。

最初に読者のみなさんに確認したいのですが、みなさん社内でバズっていますか?

わたしたちが会社で働く理由は大きくふたつあります。ひとつは生活費を稼ぐため。そしてもうひとつが承認欲求を満たすためです。ところがコロナ禍で後者の「社内で承認される機会」が激減しました。会社自体が生き残らなければならないことになったせいで、DX化が進み、リモートワークでは効率化が重視され、日本全体で仕事は「乾いた」ものへと変貌しました。

結果として会社の中で自分が目立つ機会も激減しました。これが今回の記事の問題意識です。

コロナ以前にはどの会社にもポジションとは別に「目立つやつ」がかならずいたものです。

「若手で権限も予算も持っていないけれども社長や役員に名前を知られている」
「部署が違うので名前は知らないけれどなぜか存在感がある」
「聞けば誰でも知っている」

そんな承認欲求に満たされた社員が職場にたくさんいたものです。

これから半年間、誘われた飲み会に全部出てみてほしい

承認欲求について補足説明すると、会社員の人生は出世できるかどうかだという古い考えはいまだにあります。出世も承認のひとつの証ですから、それを否定する気はありません。しかしZ世代にとっては出世という承認よりは、相手に認知されリスペクトされる承認の方がはるかに重要です。

さらに言えば、会社員人生の大半の期間においては出世ではない形で承認されているほうがはるかに重要です。職場での承認欲求が満たされた会社員人生は充実したものになります。周囲から「あいつは面白い」ないしは「あの人と働きたい」と思われることは人生にプラスなのです。

そしてこの承認の大半は日常の会社生活の中で生まれます。

ここからは「飲み会」を具体例に解説しましょう。若手社員の多くが会社の飲み会は「タイパが悪い」と思っています。個人主義、自分の仕事優先であればそれで構いません。しかし会社員人生を充実させようと思ったらこの考え方はバツです。

アフターコロナで出社する機会が増えると、これから飲み会のお誘いも増えると思います。騙されたと思って試してほしいのですが、誘われた飲み会にこれから半年間、全部出てみてください。