学校の勉強は「何が重要か」が決まっている

これは、「重要でないことをやらなくてよい」ということではありません。時間があれば、やるほうがよい。ただし、それは重要なことを済ませてから後のことです。要は、「平板に勉強してはいけない」「重要度にあった努力の分配をせよ」ということです。

学校の勉強において、集中の有効性がとくに顕著です。なぜなら、「何が重要か?」が決まっているからです。

時がたっても、重要性にあまり大きな変化がありません。さらに、何が重要かを比較的簡単に見出せます。これは大変重要なことです。

社会に出てからの仕事では違います。何が重要かは、見出しにくいだけでなく、変化します。だから、固定的な方法を続けていれば失敗します。

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2割を制する者は天下を制する

多くの場合において、重要なことは全体の2割の部分に含まれています。それが8割の重要性を占めています。だから、(やや大げさに言えば)「2割を制すれば8割を制し、8割を制すれば天下を制する」ことになります。

これを「2:8の法則」と呼ぶことにしましょう(このような性質を持つ確率分布を定式化した統計学者の名をとって、「パレートの法則」と呼ばれることもあります)。

よくできる学生は、さまざまな事項を平板に勉強しているのでなく、重要である「2割」を重点的に勉強しています。本質的な部分を見出し、そこに集中しているのです。幹と枝を区別しています。

実は、勉強は「2:8の法則」を応用できる典型的な対象なのです。したがって、「重要である2割を見出し、それに努力を集中せよ」という方法論は、応用範囲が広く、かつ強力なものなのです。

ただし、すべての場合について、文字通り厳密に「2割で8割」ということではありません。「1割で9割」の場合もあるでしょうし、「3割で7割」の場合もあるでしょう。

具体的な数字は、場合によって異なります。「重要なことは、全体から見れば一部でしかないところに固まっている。だから、その部分を最優先に扱え」ということです。