平板に勉強してはいけない

のんべんだらりとやっているのでなく、メリハリがあります。これは、「急所」「ツボ」「押さえどころ」「勘所」「コツ」などと呼ぶこともできます。「幹と枝葉の区別」といってもよいでしょう。

勉強ができる学生は、幹を押さえるのが上手な学生です。まず重要なことを勉強し、時間が余ったら、残りに手をつけていきます。

勉強が苦手な学生は、何が要点か分からず、膨大な情報の中で途方に暮れています。勉強のコツは「集中すること」なのです。すべてを平板に勉強する学生と、重要なところに努力を集中する学生とでは、勉強の成果に大きな違いが出てきます。

これは、社会人になってからの仕事についてもいえます。重要でないことにエネルギーを使っているために、成果が上がらない人が多いのです。

「ヤマをかける」のとは違う

コツコツとまじめに勉強するのは、もちろん重要です。しかし、それで成功するとは限りません。「どこに努力を集中するか」が重要なのです。

能力のある人がまじめに勉強しても、方法を間違えれば成績は上がりません。要領よくスマートに勉強する学生が成功するのです。

入学試験であれば、100点を取れなくとも合格できます。そして、毎年必ず一定数の合格者がいます。合格者の中に入ることが目的なのであって、すべての問題に完璧な答えを書くことが目的ではありません。

目的をこのように限定すれば、それをクリアするのは、あまり難しいことではありません。

逆に言うと、時間をかけてまじめに勉強しているにもかかわらず、いっこうに成果が上がらない学生は、努力する対象を間違えているのです。成績の悪い学生は、なまけ者とは限りません。