雑談を通じて相手の考えを知ったり、本音を引き出すためには、リスク回避ばかりを計算していたのでは一歩も前に進むことができなくなります。

大事なのは、「興味本位や面白半分で質問しているのではない」と態度やフォローの言葉でハッキリと示すことがひとつ。

もうひとつは、日常的に雑談を心がけて、不信感を持たれないように相手を慣れさせることです。

日常的に雑談をする習慣を作っていけば、少し踏み込んだ質問も気兼ねなくすることができるようになります。

マネジャーはもっと自分の「弱み」を開示していい

僕がこれまで接してきた優秀なマネジャーには、ひとつの共通する特徴があります。

仕事ができる人ほど、「腰が低い」ということです。

これは経営トップにも共通しますが、海外でも日本でも、優秀なリーダーほど尊大な態度を取ることはなく、常に謙虚な姿勢で相手と向き合っています。

相手を見下すような不遜な態度のリーダーは、一時的には成功することがあっても、それが長続きすることはありません。

リーダーに資質があるとすれば、それは発想力とか行動力ではなく、常に謙虚な姿勢を貫ける人間的な強さにあるように思います。

僕はマネジャーもメンバーに「弱み」を見せていいと考えています。

マネジャー自身が何でも話せるような環境を作らなければ、職場の心理的安全性を高めることは難しくなります。

何かミスをしてしまったら、「ごめん、失敗した」と正直に伝えることが大切です。

それを隠蔽いんぺいしようと画策したり、誰かに責任をなすりつけるような行為は、メンバーの不信感を増幅させるだけです。

ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

困っているならば、「悪いけど、助けてほしい。今度、メシをごちそうするから」と素直に頼めばいいと思います。

間違っても、「これを明日の朝までにやっておいてくれ」と言い残して、自分だけさっさと帰宅するような行為は慎むべきです。

そんなことで、上司の「威厳」が保てることは、100%ないのです。

マネジャーが自分の弱みを積極的に開示できるチームは、自然と風通しが良くなり、何でも話し合える環境が生まれます。

マネジャーの心がけひとつで、チームはどのようにでも変わるのです。

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