自民159億円、立民68億円、維新33億円…
今年、各党に交付される政党助成金は総額315億円余りである。
自民党は159億1000万円、立憲民主党は68億円3200万円、日本維新の会は33億5100万円、公明党は28億6900万円、国民民主党は11億円7300万円、れいわ新選組は6億1900万円、社民党は2億6000万円、参政党は1億8400万円(共産党は政党助成制度に反対して1円も受け取っていない)。NHK党(現在の政治家女子48党)はれいわより少なく社民より多い3億3400万円だ。
交付額は毎年1月1日現在の国会議員数や近年の国政選挙の得票数から算出される。計算式は総務省のホームページに記載されている。年4回(4月、7月、10月、12月)に分けて交付される。今年最初の交付日は4月20日だ。
交付の条件は「①国会議員5人以上」か「②国会議員が少なくとも1人いて、前回の衆院選か、前回または前々回の参院選のいずれかで得票率2%以上
」のどちらかを満たすこと。NHK党(現在の政治家女子48党)はガーシー氏が当選した前回参院選比例代表で125万票(得票率2.4%)を獲得して②をクリアした。この先5年は助成金を得る資格がある。
政党助成金なしでは「破産」を免れない旧NHK党
浜田・斉藤の両議員は立花氏支持の姿勢を鮮明にしている。大津氏が政治家女子48党の党首に居座っても、両議員が立花氏を担いで全く別の新党を結成して国会で活動を続けることは可能だが、その新党は交付条件の①も②も満たさず、政党助成金を受給する資格はない。
NHK党は支援者から年利5%の利息をつけて返済すると約束して政治資金を借り入れ、333人から総額10億5000万円の債務を抱えているとされる。政党助成金なしでは返済が滞って「破産」を免れず、「政治家女子48党」の看板を手放すわけにはいかない。立花氏はそもそも政党助成金を当てにして新党を旗揚げし当面の政治資金を借り入れでかき集めたのだろう。
だが、主要政党も政党助成金に依存していることに変わりはない。
各党は政党助成金の使途を政治資金収支報告書で公開しているが、使途に制限がないのがこの制度の最大の特徴だ。議員が私的な遊興費に使うケースなどがマスコミ報道で時折発覚するが、実際の使途には不透明な部分も多く、政界対策やマスコミ対策の工作資金などに使われているとも指摘されてきた。
現職議員は「カネのなる木」
現時点で公開されている最新の収支報告書(2021年分)によると、政党の収入に占める政党助成金の割合(依存度)は、自民党が69.6%、立憲民主党が81.5%、日本維新の会が79.6%にのぼっている。最も依存度が高いのは国民民主党で94.7%に達していた。
政党の離合集散が繰り返された1990年代、政党助成金を主な原資として蓄えた資金をどう分け合うかで激しい党内攻防が繰り広げられた。