ダメ営業は「わかっているけどやっていない」

全体的に見ると、業績の良い店舗は右上がりの理想的な直線に沿って活動が分布しているのに対し、業績が悪い店舗では分散してしまっているのがわかります。

簡単に言うと、業績の悪い店舗では指示されたこと=当たり前のことがきちんとできていないのです。

しかし、やるべき業務の優先順位を口頭で尋ねると、業績の悪い店舗の社員でも、指導されている通りにやるべき順位で正しく答えることができます。

ここで「頭ではわかっていても、実際できているかどうかは別である」という問題が浮き彫りになります。

山田和裕『1000人のトップセールスをデータ分析してわかった 営業の正解』(かんき出版)

気をつけなければならないのは、データを示さずに成績が悪いことだけを追及してしまうことです。

本人たちもそれなりにやったつもりにはなっているので、「やるべきことはやっています。疑うのはやめてください」というような感情論になりがちです。

しかし、図のようなデータを使えば、具体的に何ができていて、何ができていないのか一目瞭然です。

余計な感情論を排して、どの業務ができていないかが明確になるので、社員が自らの行動を素直に改善していくことができるようになります。

関連記事
なぜ日本人は「仕事のための読書」すらしないのか…「日本人は世界一学ばない怠け者」という誤解を解く
「私は聞いていない」という上司はムダな存在…トヨタ社内に貼ってある「仕事の7つのムダ」のすさまじさ
「課長のボーナスはいくらですか?」トヨタでは新人がそんな質問をしても許されるワケ
極寒の帯広に「サ活客」が押し寄せるように…赤字続きの老舗ホテルを救った「客層を変える」という逆転策
なぜ死ぬまで働いてしまうのか…マルクスの資本論が150年前に警告していた「過労死の根本原因」とは