ヨーグルトを食べても腸内環境は整わない
腸内細菌は、比較的短期間で入れ替わっていきます。
これは私の見解ですが、現代の日本人の食生活は動物性タンパク質や脂質を食べることが昔と比べるととても多くなっていますね。また、インスタント食品やさまざまなジャンクフードなど、加工された食品の摂取量もケタ違いだと思います。
ベジタリアンでもない限り腸内細菌のバランスは崩れやすく、どうしても善玉菌より悪玉菌の方が多くなりがちなのではないか、と思います。
だからこそ、善玉菌が極端に減って悪玉菌が優勢にならないよう、善玉菌を増やす食生活を心がけることが、健康な体の維持につながるのです。
とはいえ、善玉菌を増やすのに食べ物が重要ということは、ずいぶん前から言われていますよね。みなさんの中にも、善玉菌を増やすための食べ物をすでに摂っているという腸活意識の高い方もいらっしゃるでしょう。
特に多いのが、「ヨーグルトを食べています」という声です。しかし、残念なことにヨーグルトなどの食品に含まれる乳酸菌は、9割が大腸に届く前に、胃酸で死んでしまうのです。
ヨーグルト以外の発酵食品に含まれている乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌はどうかと言うと、そのほとんども調理時に加熱する過程や胃酸によって、大腸に届くまでに死んでしまいます。
最近では「生きて腸に届く」と宣伝されている商品もよく見かけるようになりましたが、生きて腸に届いたとしても、食べ物から摂るこれらの善玉菌は、私たちの体を通過するだけで、定着するわけではないのです。
腸内環境が一気に整う「とっておきの食材」
では、なぜこうした発酵食品が体にいいのかと言われると、食べ物に含まれている善玉菌の死骸が、すでに腸内フローラにいる善玉菌のエサとなるからです。
また、運よく生きて大腸まで届いたものは、そのまま定着することはないものの、生きているほんの1~2日間だけは、腸内で仲間の数と種類を増やすことにつながります。
さらに、最近ではヨーグルトなどに含まれる乳酸菌も、自分に合うものと合わないものがあることがわかってきています。そのため、知らず知らずのうちに、合わない乳酸菌を摂り続けてしまう可能性もあるのです。
2週間くらい食べ続けても体調に変化がないときは、もしかすると、ご自身の体に合っていないのかもしれません。合わない菌では、仲間の数や種類も増えないばかりか、エサとしても使われず、せっかくの腸活もただの食べ損になってしまいます。