寝る前には必ずトイレへ、スマホはオフ
①睡眠環境を整える
明晰夢につながる「いい眠り」を実践するために、まずは睡眠環境を整え、いい夢をみる確率を高めましょう。
健康づくりのための睡眠の指針は厚生労働省からも出ています。指針によると、昼寝が必要な場合も短時間(30分程度)にとどめ、睡眠リズムが乱れやすい人は、起きる時間を一定にし、寝る時間で調整するのがいいようです。
寝室は快適な睡眠を重視した間接照明などが用意されたくつろげる空間で、ある程度外部からの光や音を遮ることができたほうがいいです。
布団は重すぎず、中がちょうどよい温湿度に保てるものを準備しましょう。布団に入る前にはトイレに行っておきます。膀胱に尿がたまる感覚によって早朝覚醒しないようにするためです。加えて尿がたまるとトイレにまつわる夢をみてしまいそうです。
眠りの環境周りを調査すると、「寝る前にスマホを見ている」と答えた人が多く、SNSや動画を観ながら眠りに落ちるのをルーティンにしている傾向がみえてきました。
どうしてもスマホでネットを楽しみながら一日を終えてしまいがちですが、いい夢のためには脳や目への負担は極力避けたいところ。夜更かしや浅い眠りの原因にもなります。
一方で、パジャマやアプリなど睡眠をよりよくするためのこだわりが強くみられたのはいいですね。生活のリズムを乱してしまう近頃だからこそ、睡眠に対してプラスになる最新の技術を取り入れて、睡眠の問題解決へ役立てていきたいものです。
呼吸法と筋弛緩法を組み合わせたリラクゼーション法
②寝る前の就眠儀式
いい夢見のためには、寝る前の簡単なリラクゼーション法も有効です。
これは、呼吸法と筋弛緩法を組み合わせたもので、まず体の一部分ごとに力を入れたあと、筋肉を弛緩させることを繰り返します。漸進的筋弛緩法の一例では、手のひら→腕→肩→背中→首→顔→腹→足→全身の順におこないます。
最終的に、自分が安心できるリラックスした体の状態で自然な鼻呼吸をしながら、脱力させる動作とともにその脱力感をじんわりと味わいます。
就寝前に好きな音楽やゲームを楽しむ場合は興奮しすぎないものがいいと思います。さらにはアロマなど好きな香りを焚くのもいいでしょう。
つまり、寝る前に心地よい睡眠のためのルーティンを自分なりにつくることが大切です。同じ行動が繰り返されると脳内のニューロンの電子信号が速く伝わるので、睡眠のための条件付けをルーティン化することで眠りを誘うと考えられます(*5)。