時間を操るための2つの方法

このように私は、臨死体験を経て「時間を超える感覚はどのようにして得られるのか」について長年にわたって探究し、何十年間も鍛錬を行ってきた。その中から、会得したことからきわめて重要な部分を抜き出し、自分の感覚を超越させて、時間とのかかわり方を変えられるような実践的手法として紹介しているのは、次の2つの方法だ。

1.時間の概念を見直す

最初の段階は、人間がつくりだした時間の概念を見直していく。

変わることなく一方向に進んでいく人間の経験だと思われていた時間が、実際はそうではないという科学的根拠を、科学の歴史を大まかに振り返りながら考えていく。

これらの根拠にもとづく考察は「時間とは、それまで考えられていたものとは違って、物理的なものであると同時に、感覚的なものでもある」だ。

まず私たちの経験の「物理的領域」は、「アインシュタイン、重力、相対性理論」の世界によって、特徴づけられている。この世界では、アインシュタインをはじめとする多くの科学者たちの研究のおかげで、時間はゴムひものように引っ張って伸ばしたり、縮めたりできることが、いまや科学における一般理解になっている。

一方で「感覚的領域」は、神秘的で幻想的で、さらには「不気味な」量子論の世界によって特徴づけられている。

この世界では、ほぼどんなことでも起こりうる。

意識は「波動関数の収縮」を引き起こすが、この現象自体が(時間を含む)現実の源である可能性もあるのだ。

これはサイエンス・フィクションではない。本物の科学だ。

時間には2つの領域があるというこの考え方は、私たちが時間を曲げたり伸ばしたりするための科学的に有効な手法を明示した、まったく新たな時間の概念である。

科学の分野では、「古典物理学の法則」と「量子論」を統一する理論を、「統一理論」または「万物の理論」と呼んでいる。私が提唱している上述の理論は「時間に関する万物の理論」と呼ぶに相当するものだ。

2.時間を操る手法を極める

自分が抱いている時間の概念を見直せれば、「自分の感覚を超越させる」こと、「時間とのかかわり方を変化させる」こと、さらには「時計が示している実時間にまでも影響を与える」ことに取り組める。

リサ・ブローデリック『限られた時間を超える方法』(かんき出版)

そうした能力は一般的な、あるいは通常求められているレベルを超えているかもしれない。だがそれは、決して超自然や魔法の力ではなく、私たち人間に生まれつき備わっている潜在的な可能性の一部だ。

「科学」と「自己変革」を組み合わせた簡単な手法を実践すれば、慌ただしい日常生活のなかでも時間を曲げたり伸ばしたりできる「超越した感覚」を保持する能力を身につけられる。

そうすれば、あなたにとって時間はもはや「敵」ではなくなるはずだ。

その手法を極めれば、あなたも「時計の文字盤が示す時間」を超えた先にある「時間」を捉えられるようになる。

関連記事
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた
「どうしてミルクは白いと思う?」トヨタ生産方式の伝導師が部下に2時間考えさせた問いかけの真意
開始時間は厳密なのに、終了時間は超ルーズ…ダラダラ続く「ムダな会議」が日本企業からなくならないワケ
乗客の「10時間車内閉じ込め」は十分に避けられた…JR西日本が犯した「3つの判断ミス」
仕事ができる人は知っている…「よろしくお願いします」より効果的なメールの締めのフレーズ