「旅ラン」のメリット

もちろん、脳科学的な観点からも、旅ランは身体的精神的両面から便益が多いというのが、私の実体験から導き出した答えです。

身体的なメリットとしては、旅ランは景色の変わらないルームランナーやトレーニング的なランニングとは異なり、楽しく走ることができるので、疲労感が少なく、身体的なストレスを感じづらくなります。

精神的な面で期待できることのひとつとしては、「無心になれる」ということが挙げられます。

茂木健一郎『脳は若返る』(リベラル社)

旅ランでは、いつもと違う景色や、自然、観光名所などを楽しみながら走ることができ、日頃のストレスから解放されやすい環境だといえます。リラックスしながらも無心で走っているときの脳がどのような状態になっているのかといえば、さまざまな脳内物質が放出されています。

まず、高揚感や幸福感を得られるエンドルフィンや、向精神作用のあるフェネチルアミンなどの脳内物質が生み出されています。

さらに、朝の時間帯に旅ランをすれば、太陽の光を浴びることで、幸福を感じるセロトニンが出やすくなります。もちろん、走ることで快感を得られるためドーパミンも放出されています。

旅行好きなシニアの皆さん、旅を楽しみながら健康な脳を手に入れることができる一石二鳥の旅ラン、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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