ホームページで医師の経歴と人となりを見る

ぼくはクリニックを作るときに、必死になってホームページを立ち上げた。自分なりに力を入れたつもりだが、最近になって少し内容が不十分なような気がしている。

ぼくがクリニックを選ぶときにまずチェックするのは当然ホームページである。まず何を見るか。院長先生の経歴と人となりをチェックする。経歴といえば、医師としてのキャリアも重要だが、ぼくはどうしても出身大学に注目してしまう。

偏見かもしれないが、偏差値の高い大学を卒業した医師は、一般的に優秀である。それは医師としての実力だけではなく、職業に対する責任感みたいなものも強いようにぼくには見える。

ただ、医療界には、医師国家試験に合格してしまえば全員同じ土俵に立つのであって、出身大学は関係ないという意見も根強くある。これも間違っていない。ぼくだって「どんじり」医学生だった。

昭和の時代、私立大学の医学部は寄付金次第で合格できるみたいなグレーゾーンの話がまかり通っていた。学費が極めて高額なので、その噂はあながち嘘とは言い切れなかったと思う。

博士号の有無や海外留学の経験は関係ない

だが、私立の医学部はどこの大学も年々偏差値が上がり、簡単に入学できる医学部というのはもはや存在しない。医者を志す学生が増えたことが理由だろう。すべての医学部のレベルが上がったことは、患者にとって大変いいことだ。

ただし、2018年に某私立大学の裏口入学に関する贈収賄事件があったことや、入試において女性差別や浪人生差別があったという報道は本当に残念だった。こういう部分をクリーンにしていけば、私立大学医学部の評価はさらに上がるだろう。

それから、院長の経歴には博士号の有無とか海外留学の経験などが載っているが、これはまったくどうでもいい。医者はほとんど全員が博士号を持っているので、掲載する価値もない。留学はその人の人生の幅を広げたはずだが、臨床医としての実力とは何の関係もない。無視して構わない。

専門医という肩書きを見ると、その医師に任せてもいいような気になるかもしれない。だが、専門医という資格は、「その分野に関して最低限の知識がある」くらいの意味しかない。研修医の次のステップが、専門医の資格を得るための修練である。