SNS上で「転売容認発言」を行い炎上

株式会社ホビージャパンの事例

株式会社ホビージャパンは、出版及び模型・玩具・ゲームの開発・輸入・販売を手掛ける、1969年設立の老舗企業。総合ホビー雑誌「月刊ホビージャパン」のほか、「カードゲーマー」「月刊アームズマガジン」等、ホビーやゲーム関連の専門誌を刊行するとともに、東京・神奈川に直営店舗を構えて運営している。

2021年7月末、同社は自社雑誌の編集者が、「自身のSNSにおいて、プラモデルなどの買い占めや転売を容認する発言をおこなった」として、当該編集者を退職処分としたほか、常務取締役など、監督者3人を降格させたことを発表、話題となった。

当該編集者は7月、自身のプライベートSNSにおいて「転売を憎んでいる人たちは、買えなかった欲しいキットが高く売られているのが面白くないだけ」「頑張って買った人からマージン払って買うのって、普通なのでは」などと発言。また別のコンテンツ配信サービスでも「転売している人は、買えなかったあなたよりも努力してそれを勝ち取った」「希少価値がついたものは、誰でも複数欲しくなる」といった、転売や買い占めを容認する主旨の書き込み(現在はいずれも削除済)をおこなっていた。

写真=iStock.com/Tevarak
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これらの投稿を受け、ネット上では「自社でプラモデルを販売し、取引先にも玩具メーカーが多くあるのに、転売を容認するのか?」などと一気に批判対象となり、炎上状態に。当該編集者は投稿内容を撤回し謝罪したうえ、ホビージャパンも事態を受けて「(顧客の)ホビーに対する思いを裏切る事態になった」「当社としての考え方とは全く相容れるものではなく、ホビーに携わる人間としてあってはならないもの」として謝罪し、会社や編集部としては転売や買い占めを容認していないと明言。編集者を社内規定に従って処分する方針を示していた。

「炎上」で退職処分は妥当か

そして7月末、同社は当該編集者を退職処分、管理監督者をそれぞれ譴責したうえで、常務取締役編集制作局長を取締役に、「月刊ホビージャパン」編集部編集長を副編集長に、副編集長をデスクに降格したと発表したのであった。

世の中の反応を見る限り、同社の迅速な対応を評価するものが多かったようだが、一部からは「一社員のプライベートなSNS投稿だけで退職処分なんて厳しすぎる」といった意見や、専門家からも「懲戒権の濫用では?」「会社は不当解雇で訴えられても文句を言えないのでは?」との指摘も見られた。