作品は面白かったけれど…

8位 佐藤勝利 五感はいいが、棒読み感が

「赤いナースコール」(テレ東)2点

若手脚本家がサイコパス病院の惨劇に巻き込まれるサスペンスホラー。佐藤勝利は、身の毛もよだつとんでもない殺人事件に巻き込まれるのだが、恐怖の表情はすこぶるいい。本当に怖がっている感じが表情筋から伝わってくるのだが、推理を展開する場面では超絶平坦な口調で驚愕。あまりの恐怖で舌が回らなかったのか、抑揚を失ったのか。

ただし、他の役者が手練れ&きわもの揃いで、最後まで目を離せなかった。

ジャニーズなのに芸人にしか見えない

7位の前に、ちょっと悩んだ次点を紹介しておこう。

●向井理 たばこが嫌い 「婚活探偵」(BSテレ東)1点

恋愛経験がほとんどないハードボイルドな探偵が婚活するというコメディ。筋金入りの喫煙者の役なのだが、あまりにたばこの吸い方が下手すぎて。たばこが嫌いな人に見えた。些末な1点だが致命的な1点でもあり。

●山下智久 村本にしかみえない 「正直不動産」(NHK)1点?

嘘つきの不動産営業マンが石碑を壊した呪いで、嘘をつけなくなるという話。意志に反して、都合の悪い真実や本音を怒涛どとうのように吐き出すシーンがあるのだが、山下智久がウーマンラッシュアワーの村本大輔にしか見えなくなって笑えた。これワーストではなく、むしろベストだな。

●阿部寛 しまいには風呂に潜っていた 「DCU」(TBS)微妙

水中の事件や事故を捜査する特殊捜査隊の話。海や川、湖の迫力ある映像……と思いきや、途中から陸の捜査がメインに。しまいには水族館や温泉に潜っていた阿部寛。

水中の顔圧(迫力のある顔)はハリウッド級なのに、捜査する舞台がどんどんしょぼくなって。お金がなかったのか、海上保安庁が渋ったか。

ということで、ランキングに戻る。

7位 町田啓太 ぬるいホモソーシャルで無駄遣い

「テッパチ!」(フジ)3点

写真=フジテレビ「テッパチ!」公式サイトより

陸上自衛隊の自衛官候補生たちを描くっつうんで、期待して観たけれど、無駄にシャワー、上半身裸、腕相撲……それじゃない感のてんこ盛り。

町田啓太は生ぬるい青春ホモソーシャルに合わない。女性の多い環境や精神的にひりつく修羅場でのほうが、繊細な感情表現や立ち居振る舞いの妙が生かされるのに。女性教官(白石麻衣)とやたら出合い頭で衝突するのも、前方不注意が過ぎる。自衛官としての資質を疑う。防衛省の全面協力が仇となったのか、そもそもの内容がひどかったのか。