セオリーが嫌いで反骨精神が強い
――本作で脚本家としての才能を世に知らしめたと思いますが、ご自身の脚本家としての強みやオリジナリティーはどこにあると思いますか。
【生方】脚本家としてというよりも、私のただの性格なのですが、セオリーとされるものが嫌いで、反骨精神が強いところがあります。連ドラというのはこうするもの、ラブストーリーはこれが定石と言われると、そうしたくなくなります(笑)。
たとえそれが一般的に受け入れられないものでも、そこはプロデューサーや監督が本打ちでちゃんと軌道修正してくれるので、脚本を書く段階では、自分の「これはやりたくない」という感覚を極力大事にするようにしています。
――デビュー作がここまで話題になってしまうと、次回作や今後にプレッシャーを感じたりはしませんか?
【生方】いつまでも“『silent』の脚本家”って言われるんだろうな、みたいな怖さはありますけど、現時点では『silent』を書き始める前のプレッシャーのほうがハンパじゃなかったかもしれません。1本書き切れたことで、次からはもう少し気負いせずに自分がやりたいことを突き詰めていけるかな、というのが楽しみですね。(後編に続く)