頭のおかしな動物が何か言っている
クレーム対応のコツは、相手の要求が何なのかを見極めることです。「謝れ」なのか「お金払え」なのか。
よく僕は、相手の条件を聞き出して、「検討します」と言って持ち帰るという手を使っていました。相手も要求を言ったら、それ以上に要求することはないですからね。
あとは、バイトの僕にその場で決める権限はないので、「決まりしだい、ご連絡します」と伝えて上に丸投げする。そうすれば最小限の時間で済みます。
くれぐれも勘違いしてはいけないのは、クレーマーはあなたに対して文句を言っているわけではないということです。
メンタルを削りながらクレーム対応をしている人もいると思いますが、クレームに対して自分が叱られているとか、真摯に相手をしなければと考える必要はいっさいありません。
「世の中にはこういう頭のおかしな人がいるんだ、へぇ~」って思うくらいがちょうどいいんです。
「クレームを入れてくる動物に対して、いかに安いコストで自分の利益を最大化するか」
そう考えるようにすると、メンタルを削られなくても済むようになるはずです。
ムダ玉は極力撃つな
相手のニーズを見極める能力は、どんな仕事でもあると重宝します。
たとえば、仕事で新規事業の話を持ちかけられたとします。僕はそういうときには、予算やスケジュールはもちろん、目的やゴールは何か、決裁者が誰かまでしっかりヒアリングします。
「目的はこれですよね」「このかたちだったら予算内に収まりますか?」などと、担当者に一つひとつ確認しながら進めていきます。
クライアントなどの相手がいる問題や目標の場合に、とくに重要なのは「相手の目的が何か」です。
たとえば、新しくマンガのサイトを立ち上げたいという場合なら、売上を上げたいのか、単にマンガが好きだから始めたいのかを、最初にはっきりさせます。おしゃれな新規事業を立ち上げて華々しく見せたいと思っている会社に、儲かる事業を提案しても時間のムダですからね。
だから、できるだけ相手に直接ヒアリングして、極力ムダ玉を撃たないようにします。
僕はわりと人にずけずけと質問するタイプなのですが、さすがにビジネスのときはストレートに聞きません。「こういう感じはどうですか?」などと提案すると、「それならこっちのほうが」などと返ってくるので、何回か質問して相手のニーズを絞り込んでいきます。
ほかにも、「売上は伸びるんですが、担当者の人が忙しくなるプランと、あまり売上は伸びないけれど、そのぶん担当者は何もしなくていいプランがあります。どちらがいいですか?」などと、二択にして絞り込むこともあります。