台湾統一に動くのは最短で2027年か
このような教えを叩きこまれた子どもたちが成長すれば、中国という国はこれまで以上に、アメリカや日本、それに台湾などにとって大きな脅威となるだろう。
その中国の動き、今後の「習近平おじいさん」の出方を予測するには、いくつかの節目を見ておく必要がある。
・2027年 中国軍(人民解放軍)建軍100周年。
・2028年 中国のGDPがアメリカを抜く(イギリスの民間調査機関CEBR「経済・ビジネス研究センター」による予測。2020年12月発表)。
・2035年 中国軍の近代化が完了。中国が知的財産権強国を目指す(中国政府が2021年9月発表)。
・2049年 中華人民共和国建国100周年。
ただ、2049年だと習近平は96歳と本当に「おじいさん」になってしまう。そのため、強い経済と軍を作り、悲願である台湾統一へと向かう動きは、2027年から2035年の間に起きると予想される。
習近平は、中国共産党100周年式典で、
「中華民族の血の中には他者を侵略し、覇を唱えようとする遺伝子はない」
と述べ、世界平和に貢献する姿勢を強調した。しかし、薄っすらと微笑みをたたえた習近平独特の表情には、東シナ海や南シナ海、台湾や尖閣諸島を内政問題としてとらえ、自分の代で中国化しようとする野心が透けて見える。
「これらの地域は中国のもの」という考え方も、習近平の思想をたたえる教科書によって、子どもたちを含め中国の人民に刷り込まれることになるのだろう。