歳を取ってからのギャンブルは脳にいい

その対極にあって強力な刺激を与えてくれるのは、たとえばギャンブルだ。予想どおりになって歓喜したかと思えば、手ひどく裏切られて悲嘆にくれる。

日本でも外国人観光客を集めるために、特区を作ってカジノを開けばいいというアイデアが続いているし、IR整備法も成立した。私は、65歳以上に限るというアイデアもあっていいと思う。若いうちにあまりギャンブルにはまるのは問題でも、歳を取ってからは脳にもいい。

勝った人の金目当てに、美女が集まるというのが世界中のカジノの通例だから、これも高齢者の若返りにつながる。人生を長く生きてきたごほうびを与えながら、ちゃんとお金を使ってもらえて、しかも、若い人たちから羨ましがられるような仕組みを作ることがポイントだ。ただし前述のように前頭葉が老化すると、ギャンブル依存症にもなりやすいから、そのチェックも必要になるが。

積極的にお金を使うことで超高齢社会がうまくいく

資本主義社会とは「お客さまは神さまです」の社会である。お金を使うことによって自己愛も満たされるし、よりよいサービスが受けられる。

お年寄りがケチだとお年寄りを粗末にする社会になるし、派手にお金を使ってくれると、急に接客態度がよくなる。「あさましい」とか「不道徳的だ」とか顔をしかめる人もいるかもしれないが、それが現実であることを直視したほうがいい。

新型コロナでそれが止まっているが、中国人が豊かになってお金を使うようになって以来、日本では旅行会社から老舗旅館、百貨店、家電量販店のほか、あらゆる業種が手のひらを返したように中国人向けのサービスを用意するようになった。資本主義の国で生きる以上、それが当たり前なのだ。

日本はまだまだ高齢者がお金を使わない社会である。ここが、超高齢社会を考えるうえでの大きな問題点だ。

生涯現役の消費者であり続けることの大事さ

お年寄りがお金を使って遊ぶと、高齢者向けのビジネスも盛んになる。生涯現役とは、現役として一生働くという意味だけでなく、生涯現役の消費者であるという意味でもあるのだ。

消費者として、お年寄りが大事にされるようになると日本は変わる。

たとえば「お年寄りはお金を使う」というコンセンサスができてくると、必ずテレビ番組の質も変わってくる。つまりはこういうことだ。

お年寄りはテレビを見ている時間が多くなるものだが、いま作られている番組は若者向けのものが圧倒的に多い。とくに民放で顕著なのは、スポンサーの製品やサービスを宣伝して、消費者に買ってもらうビジネスモデルが前提にあって、お金を出して買うのは若者だと思い込まれているからである。

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たしかに、お菓子とかラーメンやゲームなどは若者しか買わないかもしれない。しかし自動車のテレビCMに若者に人気のタレントを使ったからといって、その自動車を買うかどうかは別の話だ。若者のテレビ離れが激しいと言われるのに、いまだに若い世代が消費の中心にいるかのようだ。