手が器用で賢く学習能力が高い
このアライグマ、手がすごく器用だ。タヌキとやや似た風貌をしているが、手の構造はまったく違う。
タヌキはイヌ科なので、肉球がある犬そっくりの手だが、アライグマの手はまるで人間のような形をしていて、物を掴むことができる(写真2)。
しかも賢くて学習能力が高い。そのため、飼育ケージを開けての脱走が相次いだ。
こうして日本の自然の中に放たれたアライグマたちは野生化して繁殖し、日本中に広がっていった。
その結果、さまざまな問題が起こった。
アライグマは雑食なので、農作物や養魚場の魚などを食べる。お寺や神社など歴史的、文化的に重要な建物に入り込んで傷める。
狂犬病やアライグマ回虫などの危険な病原体を保有している可能性もある。
性質が荒く、牙が鋭いため、噛み付かれれば大怪我を負う危険性がある。
そして、日本の野生動物に悪影響を及ぼす。その被害を受けた生き物の一つが、トウキョウサンショウウオだ。