日本はサンショウウオ王国
「サンショウウオ」と聞いて、あなたの脳裏には何が浮かぶだろうか。
もっとも多いのは「あの大きいやつね」という反応。オオサンショウウオだ。日本では、「サンショウウオって、オオサンショウウオのことよね」という認識が多数派のようだ。
オオサンショウウオは日本の固有種。しかも世界最大の両生類という肩書きを持っていて、最大150cmほどにもなる。
その姿形や存在感は素晴らしく、僕もその生息地に引っ越したいと思うぐらい好きだ。日本を代表する野生動物の一つだと言えるだろう。
実は日本には、サンショウウオと名のつく生物が46種類もいる(2021年現在)。
オオサンショウウオはその一つ。残りの45種類は、大きさ7〜19cmの小型サンショウウオだ。せっかくなので、少し説明しておきたい。
両生類というのは、皮膚がヌメヌメしていて背骨がある生物で、大きく3つのグループに分けられる。
①しっぽがないグループ(カエル類)
②しっぽがあるグループ(サンショウウオ、イモリ類)
③脚がないグループ(アシナシイモリ類)
サンショウウオは②のしっぽがある仲間で「有尾類」と呼ばれている。
この有尾類、2021年現在、世界中に757種いる。その中のグループの一つ「サンショウウオ科」には少なくとも82種が知られているが、そのうちの45種が日本産で、うち44種が日本の固有種だ(2022年2月時点)。
日本は、サンショウウオ王国だ。