身体感覚で学ぶ小学生には対面授業が理想

成績が上がらない一番の原因は、演習量の不足だ。そこで、まずは演習量を増やしていくことがポイントになる。理想は塾へ通わせることだが、しばらく間が空いてしまって行きづらいという場合は、オンライン授業を続けてもいい。その際、子供だけに任せるのではなく、親も一緒に参加するようにしよう。

そして、授業の後に「今回の授業のポイントは何だったと思う?」「こういう問題のときはどういう考え方で解けばいいんだっけ? 何を書けば解けそうかな?」と質問し、子供に答えさせる。そうやって、演習をくり返すことで、「解けた!」「できた!」の体験を増やし、自信を持たせてあげてほしい。そうすれば、塾へ行けるようになるだろう。

写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです

コロナ禍でリモートワークやオンライン授業が普及し、利便性を感じている人は多いだろう。だが、小学生の子供の学びには、対面が望ましいと感じている。人生経験が浅い子供に新たな知識や考え方を身に付けるには、「なるほど! そういうことか!」と納得感を持って理解することが重要だ。また、記憶を思い起こすとき、大人のようにその事柄だけをポンと思い出すことは難しく、周辺情報から思い出して「あ、そうだ! これだ!」と思い出すことが多い。

「そういえば、先生はこの説明をするときにすごく熱く語っていたなぁ〜」
「この単元を学習したとき、○○くんがこんなことを言ってみんなを笑わせていたな。その後、先生が何て言ったんだっけなぁ〜、あ、そうそう思い出した!」

このように、子供は身体感覚を得て学んでいる。私が対面授業を勧めるのは、この身体感覚が得やすい点だ。それがオンラインになると画像と音声だけになり、先生の熱意も、その場の授業の雰囲気も伝わりにくくなってしまう。また、対面とオンラインでは授業の活気も異なる。やはり、「志望校合格」という同じ目標を持った仲間と同じ空間で学ぶというのは、大きな刺激になる。対面か、オンラインかのどちらかを選べる時代、遠方の子が塾へ通わなくても中学受験ができるようになったなどのメリットもあるが、やはり小学生の場合は、その場の空気が感じられる対面授業を勧めたい。

(構成=石渡真由美)
関連記事
「お金持ちだからではない」頭のいい子が育つ家庭に共通する"幼児期のある習慣"
「勝因はコタツ」子供4人が東大医学部に合格…食後すぐ勉強に向かえる佐藤ママ宅のリビングのすごい配置
「母子家庭で息子2人を東大に」壁に穴をあけても叱らない肝っ玉シングルマザーの"10年ワンオペ教育"
「難関中学に通う息子が家の中で金属バットを振り回す…」受験優等生を"深海魚"にする親の残酷な共通点
超お買い得…「偏差値50台なのに」東大・京大含む国公立大に最大6割が受かる中高一貫校ランキング50