身体感覚で学ぶ小学生には対面授業が理想
成績が上がらない一番の原因は、演習量の不足だ。そこで、まずは演習量を増やしていくことがポイントになる。理想は塾へ通わせることだが、しばらく間が空いてしまって行きづらいという場合は、オンライン授業を続けてもいい。その際、子供だけに任せるのではなく、親も一緒に参加するようにしよう。
そして、授業の後に「今回の授業のポイントは何だったと思う?」「こういう問題のときはどういう考え方で解けばいいんだっけ? 何を書けば解けそうかな?」と質問し、子供に答えさせる。そうやって、演習をくり返すことで、「解けた!」「できた!」の体験を増やし、自信を持たせてあげてほしい。そうすれば、塾へ行けるようになるだろう。
コロナ禍でリモートワークやオンライン授業が普及し、利便性を感じている人は多いだろう。だが、小学生の子供の学びには、対面が望ましいと感じている。人生経験が浅い子供に新たな知識や考え方を身に付けるには、「なるほど! そういうことか!」と納得感を持って理解することが重要だ。また、記憶を思い起こすとき、大人のようにその事柄だけをポンと思い出すことは難しく、周辺情報から思い出して「あ、そうだ! これだ!」と思い出すことが多い。
「そういえば、先生はこの説明をするときにすごく熱く語っていたなぁ〜」
「この単元を学習したとき、○○くんがこんなことを言ってみんなを笑わせていたな。その後、先生が何て言ったんだっけなぁ〜、あ、そうそう思い出した!」
このように、子供は身体感覚を得て学んでいる。私が対面授業を勧めるのは、この身体感覚が得やすい点だ。それがオンラインになると画像と音声だけになり、先生の熱意も、その場の授業の雰囲気も伝わりにくくなってしまう。また、対面とオンラインでは授業の活気も異なる。やはり、「志望校合格」という同じ目標を持った仲間と同じ空間で学ぶというのは、大きな刺激になる。対面か、オンラインかのどちらかを選べる時代、遠方の子が塾へ通わなくても中学受験ができるようになったなどのメリットもあるが、やはり小学生の場合は、その場の空気が感じられる対面授業を勧めたい。