重要なのは「自分で選択したかどうか」

この結果を、単に「そっか、やっぱり転職した方がモチベーションあがるのか」と解釈するのはいささか乱暴です。転職という行為そのものに価値があるのではなく、「自分で選択する」ことにこそ意義がある。自分がおかれた状況を受け入れ“会社に残る”か、状況を変えるために“会社を出る”か。どちらかに決める勇気です。

実際、件の調査では、会社との関係に関する質問で、「私は選択肢がほとんどないため、この会社を離れることができない」と回答した人が、30代後半以上の非転職者で高まり、40代後半では36.5%で、転職者との差が10ポイント近くありました。

「転職はしない=今の状況を受け入れる」ことも選択なのに、あたかもそこに「選択肢」がないように考えていたのです。

「選択の自由」を放棄しなければ、自由はある

人生は選択であふれています。

河合薫『50歳の壁』(MdN新書)

朝、何時に起きるか?
何を食べるか?
何時に会社に行くか?
選択は常に自由です。

自由というのは0か100かというものじゃない。どんな厳しい条件の中でも「選択の自由」を放棄しなければ、自由はあります。囚われの身となって強制労働をさせられているわけじゃないのです。その自由を放棄した時、「言われたことだけをやっていた方が楽」なんて言葉で自分を納得させようとするのです。

「たとえ険しい道のりであろうと、新天地でもっと自分の力を発揮したい」という、きっぱりした意志があれば、転職はうまくいきます。逆に、“会社に残る”選択をした場合でも、それが自分のおかれた状況を受け入れた上での決断なら、何も恐れることはありません。

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