Q 「家庭の雰囲気」のつくり方は?
●佐藤家
子供が生まれたら、温かくて、美味しくて、安心して眠れるような環境で育てると決めていました。子供を叱らない、きょうだいの比較もしない。そして私は、できる限り笑っていようと。
それは概ねできたように思うのですが、夫婦ゲンカはたまにしていました(笑)。原因のほとんどは子供のこと。パパにお迎えを頼んだのに時間に遅れるとか。「子供だけにしておいたら危ないでしょ」と。パパはほとんど反論しないので、ケンカというより私が一方的に怒っている形なんですけど、年に1度くらい、パパが反論することがあるんです。すると子供たちが「パパ、ママに謝っとけ」って(笑)。
夫婦ゲンカはあえて子供たちの前でしていました。パパのいないときにパパの悪口を聞くのは、子供もいやですよね。それに、夫婦でも意見が違うことがあることを子供に伝えておきたくて。水面下でケンカしていて、表面だけニコニコしているほうがいびつですよね。
パパは仕事優先、ママは子育て優先という役割分担でしたし、ケンカの原因のほとんどが子供たちのことだったので、子供たちはいつも私の味方でしたけどね(笑)。
●河村家
子供の言動と私の機嫌を切り離すようにしていました。子供が宿題をしなくても、それは彼の問題で、私には関係ないと。もちろん、気にはなりますよ。一緒にやったり、おやつで釣ったり、宿題をするよう工夫はしますが、それでもしないときもありますよね。そのときにイラッとしたら、私の負け。心の中に星取表を作って、「あ〜、黒星ついちゃった」とゲーム化して、機嫌が表に出ないようにしたのです。
子育てって、諦めると楽になるんだといつからか悟りました(笑)。算数ができなくても仕方がない。それでも生きている大人はたくさんいますから。
また次男の話になりますが、彼は大学に8年間通っています。院ではなく学部生として。でも彼の人生は彼のもの。わが子ですが、隣の子くらいの距離感で付き合っています。
●たかせ家
長男が10歳、次男が8歳のときに別居し、その後に正式離婚。シングルマザーとして一人子育てでしたので、仕事のストレスも含め、しんどいときは多々ありました。
ただ、子供たちと一緒のときは、時間に追われることもありますが、それ以上に彼らに癒やされることが多かったので、その間は辛いことも忘れていられました。だから、子供の前でイライラしたり暗い気持ちになったり、ということはなかったと思います(たぶん……)。
自分のことに向き合うのは、子供が寝た後です。仕事で起こった問題点を整理したり、次にすべきことを考えたり。考えているうちに、急に悲しくなったり、不安になったり、落ち込んだりするのですが、そんなときは、早めに寝るようにしました。起きていると余計なことまで考えちゃうので。一晩寝て、起きたら、そこにはもう子供たちがいるので、気持ちを切り替えて、新しい一日をスタートさせました。
ただ、本当にしんどいときはお風呂場で思い切り泣きました。デトックスです。泣いてすっきり。その日にあった辛いことは、その日のうちに解決するようにしていました。
▼シングルマザー子育て たかせみほさん
『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』の著者。
子供たちの今
長男(24歳):東大工学部合格、工学系研究科修士課程修了後、AI系企業に就職
次男(22歳):東大工学部4年生。数学を究めるために理学系研究科修士課程に進学予定
▼3男1女が東大理3合格 佐藤亮子さん
『4人の子どもを東大理三に合格させた佐藤ママが教えるわが子の知能と心を育てる「読み聞かせ」!』ほか著書多数。
子供たちの今
長男、次男、三男:医師として活躍中
長女:医学部6年生
▼母学アカデミー学長 河村京子さん
『わが子が東大・京大に現役合格! 子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』ほか著書多数。
子供たちの今
長男(27歳):東大工学部に現役合格。在学中に起業。現在大手IT企業に勤務
次男(25歳):京大理学部に現役合格。数学を究め、現在は次のステップに向けて準備中
長女(22歳):中学在学中にイギリス留学。ロンドン大学に進み、今秋卒業。日本で就職予定