「遺伝子組み換えジャガイモ」がポテトチップスに?
さらに、もう一つの懸念事項がある。
食品安全委員会は、2017年に、米国シンプロット社が開発した遺伝子組み換えジャガイモを承認した。
この遺伝子組み換えジャガイモは、RNA干渉法という遺伝子操作で作られたものだ。
通常、ジャガイモを高温で加熱調理すると、発がん性物質であるアクリルアミドが生じるが、遺伝子組み換えジャガイモは、このアクリルアミドの発生を低減するほか、打ち身で起きる黒ずみも低減されるという。
また、食品安全委員会は、2019年にも新たな品種の遺伝子組み換えジャガイモを承認している。
2021年には、低アクリルアミドとともに、疫病抵抗性を付加した2品種が安全と評価された。
ちなみにRNA干渉法とは、RNAを用いて、遺伝子の働きを止める技術である。
ただ、遺伝子操作の際に、目的とする遺伝子の働きを止める以外に、別の遺伝子の働きや別の生物の遺伝子の働きを止めてしまう可能性があり、さまざまな生物に劣化などの問題を引き起こしかねない、という指摘がある。
アメリカでは、すでにシンプロット社が開発した遺伝子組み換えジャガイモが広く流通している。
このシンプロット社は、米国マクドナルドのジャガイモ納入業者でもある。
米国マクドナルドは消費者の遺伝子組み換えジャガイモへの拒否感を背景に、この遺伝子組み換えジャガイモを取り扱わないと表明している。
しかし、この遺伝子組み換えジャガイモが、日本のポテトチップスや、ファーストフード店などのフライドポテト等に使われる可能性が指摘されている。