日本人が知らない「日米レモン戦争」
これと同様のことが、過去にも行われたことがある。
いわゆる「日米レモン戦争」である。
1970年代、アメリカから輸入していたレモンなどの柑橘類から、オルトフェニルフェノールとかチアベンダゾールといった防カビ剤が検出された。
これらは、膀胱がんや腎障害の原因になるとして、日本では禁止されていた。そのため、これが検出されたアメリカ産レモンを海洋投棄し、アメリカに対して使用禁止を求めたのだ。
だがアメリカはこれに激怒し、日本からの自動車輸入を制限すると脅した。
日本政府は慌ててレモンへの防カビ剤は食品添加物であるとして、輸入を認めることにしたのである。
「農薬として使用が禁止されている薬物が、収穫後に使用すれば食品添加物であるため使用できる」というのは、あまりにウルトラCであり、苦しい言い訳に過ぎない。
ジャガイモへの防カビ剤を食品添加物に指定したのは、これと同じことに過ぎない。