駅伝3冠か、連覇か…2強の激突は一瞬も目が離せない
一方、ルーキー佐藤は5000mで世界を目指しているため、冬のトラックレースで5000mのタイムを狙うことも考えているようだ。
「佐藤は夏合宿でも距離を踏んできました。これからは箱根に向けた練習になるんですけど、5000mに出場するときは、5000mのトレーニングをやればいい。スタミナはだいぶついてきたので、それがトラックにも生きると思います」(大八木監督)
トラック(5000m、10000m)と、22km前後の箱根駅伝のトレーニングは、似ているようでやはり異なる。昨季までの青学大は箱根駅伝に特化したメニューをこなして、トラックのタイムはさほど狙っていなかった。トラックで記録を狙うと、箱根に向けたトレーニングが疎かになる部分があるのだ。駒大は過去2回、出雲と全日本を制しているが、いずれも箱根は2位に終わっている。
「3冠を懸けた過去2回の箱根はスタミナ的な問題がありました。個々を大事にしているので、全員が同じスタミナ練習をやっていなかったんです。私は個人の選手を引き上げていこうという思いがあり、それがひとつにまとまったとき、駅伝でも本当の強さを出せるのかなという思いがあるんです。ただ今季は選手たちが『3冠』をやりたいという気持ちが強い。その思いもかなえさせてあげたいですね」(大八木監督)
学生駅伝で最多26度の優勝を重ねてきた大八木監督だが、どれだけ勝っても悩みはつきないようだ。
世界大会と駅伝3冠という“二兎”を追う駒大と、箱根駅伝で勝利の方程式を確立させながら指導方針を改めている青学大。正月決戦で軍配が上がるのはどちらだろうか。